表彰式の模様はこちらで公開しています
>> 「サプライズ、表彰と語り、上司部下の絆」
>> 「『コワモテ』と『優しさ』、2人の企業改革者」
>> 「『3・11』後の空気を変えていこう『認める社会』に--太田教授のお話」
>> 「信じる教育、苦境にあるわが国へ、皆様どうか力をお貸しください--正田よりお話」
>> 「自分と同じように相手を大切に、それが承認それが幸せ--林義記さん中締め」

[表彰式集合写真] 前列左から 寺田まさごさん(長さんの元上司)、長直子さん(部下部門大賞)、てつべっくさん(同審査委員長賞)、太田肇・同志社大学教授、正田代表理事、風早由紀さん(ペンネームゆきちごさん、同準大賞)、後列左から 大前和正さん(2009年度準大賞・特別賞)、K・Nさん(2010年度第1回上司部門大賞代理)、鈴木紳一郎さん(風早さんの元上司)、林義記さん(上司部門大賞・部下部門協会賞)、マツモトコウジさん(同準大賞)山口元子さん(NPOスタッフ)


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1人から始める企業改革。まだ権限もない中堅の林義記氏(主任、32歳)が、「承認」をたった一人で組織の中で始めた。その初期の成功事例、そして最近のドラマチックな展開(退職願提出⇒慰留)の事例が二つとも応募事例に盛り込まれ、上司部門大賞、部下部門協会賞の二冠に輝いた。このうち初期の事例は、広く若手社員を育てる手法として普遍的価値。また、高齢化社会において、厳しく離職率の高い介護福祉業界の人々の心を支える事例としても価値がある。

上司部門準大賞は、大企業の中、新規事業リーダーを歴任した人の独特の厳しい「承認」。未知の領域を「考え抜く部下」を育てることで切り拓く、責任とリスクは自分が引き受ける、という上司の覚悟の言葉としての「承認」と言える。

部下部門大賞は、約20年前、全盛期のある航空会社の客室乗務員の世界で、人を育てるマネジメントが根付いていたことを伺わせるもの。グローバル化、女性活用など今日的なテーマに直面したときに出した答えが、「多様な個性を認め、引き出し、おもしろい集団をつくる」ことだった。この応募者・長直子氏も、その後の人生で「1人から始める『承認』企業改革」に取り組み続けている。

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【上司部門】
大賞 「わからないことを訊いてくれたね」

林 義記さん(介護医療施設ソーシャルワーカー、施設ケアマネージャー 32歳)

「自分にこの仕事が務まるのか不安」と話していた同じ部署の後輩の新人。彼に「わからないことがあったらそのままにせず、訊くようにしよう」とアドバイスした。数日後、彼が「○○がわからないので、教えてもらえませんか?」と言ってきたので、「わからないことを訊いてくれたんだね」と行動承認した。照れ臭そうだったがとても嬉しそうにした。それから「○○を教えてもらえないですか?」と継続的に訊いてくれ、笑顔の量、他スタッフとの会話の量が増えた。他部署のスタッフからも「彼はわからないことがあると訊いてくるね」との報告が入りすかさず「○○さんが質問してくるねと言っていたよ」と第三者メッセージ。「ここまで調べてみたんですが、ここから先がわからないんです」「○○について勉強しようと思っているのですが、何かよい本はないですか?」などと主体的に行動する様子もみられた。数か月後の現在も元気に働いている。

<選考理由>
上司部門の応募総数が少ない中「大賞」を出してよいものかどうか悩んだが、この事例は(1)やる気はあるし性格も良いが自信のないタイプの若手への働きかけとして理想的、(2)この段階の若手を指導する立場の人は全国に多数おり、モデルになるであろうこと、(3)チームを信頼し、チームのもつ暗黙知を若手の方からとりに行くよう働きかけているという点で「知識創造経営」上も評価できる(4)慢性的に人手不足の介護福祉業界に、職場の和を通じてモチベーションや働き甲斐をもたらす試みと言える---などの理由から大賞とした。
<審査員評>
・若い人に、学習を促すとともに職場への信頼感を増すような働きかけをしている。職場における学習や情報共有を考えるとき、「先輩や上司に質問する」「教える」という行為を促すことは不可欠。職場の一体感そのものが、モチベーションになる。
・そういわれていたとしても、わからないことを聞く、というのは勇気のいること。それをしっかりと承認していることで、その後の主体的な行動を促した点が評価できる。承認によって自分自身に新たな気づきが生まれている点もすばらしい。
・成長を期待しておこなったアドバイスに応えている部下の行動に効果的に承認をしている。
・「どんな小さな行動でも承認していこう」という応募者の意識と行動承認。不安でいっぱいの新人が自信を回復し、主体性をもって仕事に接するようになったという成果。以上2点を評価したい。
・新人には最適。新人に分からないまま仕事をさせてはミスを恐れて動けなくなってしまう。
<部下コメント>
『林さんは物事の捉え方、考え方を教えてくださる上司です。ある時、初めて自分が担当したケースで思い悩んだ時に相談しにいきました。すると、まずは私が持っている情報の整理をし、その情報から考えられること、どのように援助を展開して行けば良いかを一緒に考えてくださいました。情報につながりを持たせてくれたのです。そして、必要な情報を持っていた自分をまずは承認してくださいました。自分のできている部分に焦点を当ててくださることで自信を持つことができますし、仕事へのモチベーションも上がります。そういった関わりをしてくださる上司の存在が、仕事をしていく上でとても支えになっています。』
【上司部門】
準大賞 「回答は『やれ』の一言」

マツモトコウジさん(富士通株式会社勤務、男性、43歳)

社内で多数のプロジェクトを経験、成功に導いてきた。入社5年目以上の優秀な部下を預かることが多い。細かなことまで仕事を着手する前に承認を求めてくる人も多いが、ICT業界では特にトレンドの変化が激しいが故に、フィールドの第一線で考え抜かれた内容かどうかが重要になる。そこで、「相談はあっても回答は『やれ』の一言」と伝えている。その結果、自分で考えて行動するようになる。リスク回避するために注意深く物事を洞察する力が生まれてくる。やらされ感ではなく、自らの仕事として取組姿勢が変わってくる。実際、世間話し程度に状況を報告してくるが良く考え抜いていることが伺える。行動を予め許すことにより、新しいことに着眼していく人材が育つ。事後に相手を褒めて認めることは容易い、しかし事前に権限委託して承認することは相手そのものを承認していることである。

<選考理由>
大企業の新規プロジェクトというビジネスの最前線を担う人々の間の「承認」。大賞の例よりはやや突き放した形ではあるが、ある程度の経験があり、能力が証明済みの人に対する「承認」として妥当。応募者の言う「事後に相手を褒めて認めることは容易い、しかし事前に権限委託して承認することは相手そのものを承認していることである」「承認は権限で行うものではなく、上席が責任を負う覚悟である。」これは確かに壮絶な覚悟と言える。現実にこうした覚悟を負う人々が日本経済を牽引している。大賞が経済・組織の下支えの事例としたら、本例は最先端を行く人々の事例と考えたい。本来価値の点では甲乙つけがたいが、一次審査の結果通り、また大賞の選考理由に書いた理由により、本例は2位の扱いとした。
<審査員評>
・上司である自身が全責任を持つこの「やれ」は見事。任された部下も相当気合が入ると思います。
・直属の部下には最適な方法。ただし、少し離れてその人の行動とその結果に目を配りながら。
・ある程度キャリアを積んだ人であれば、こうした「承認」もあり得る。「相談に来ても『やれ』としか言わないよ。」確かに、自分で考える人が育つだろう。
・年齢がわからないのですが、比較的若い方なのではないかと想像すると、「任せる」には、任せる側の決意が必要だと感じました。そこを思い切って「やれ」の一言、もちろん、「見守っているから安心してやってごらんよ」という気持ちのこもった「やれ!!」の一言だったのだと感じました。
・「やれ」と非常にシンプルな言葉。その裏に、考えろという言葉が含まれているとは、奥が深い言葉だと感じました。
<部下コメント>
(1)直属の部下
何かをやり始めると必ず、何処からともなく援軍を率いている。「突っ込みが甘い」「いけー」と旗を振る一方で、危険信号は事前に予測して質問してくる。
(2)別部署の後輩
最初から人の巻き込み方が違う。「その場に立った時に勝敗が決まっている」とよく言われるが、考え抜いて知略的に動いているので失敗が起きない。毎年幾つものプロジェクトを越し成功を成し遂げているので人がついてきている。
(3)別部門の後輩
突如、他部門に現れプロジェクトを越し、いつの間にかビジネスを牽引している。今では社内での講演依頼も多く、関係会社や事業部門で講演を始めて人気となっている。おそらく、普通の会社の組織論では理解出来ないのかも知れないが、会社にもなかなかいない存在である。会社のDNAである「現場に出れば上司部下は関係ない、現場を引っ張るのがリーダーだ。」そのままである。
【部下部門】
大賞 「あなたなら大丈夫。若いうちに経験したことを、いつかこの部署に戻ってきて活かしてくれると信じています」

長 直子さん(女性、商社関連会社、管理職。エピソード当時は航空会社勤務。44歳)

大きな失敗をして落ち込んでいた自分に、入社10年目の人しか行けないと言われていた訓練所勤務の希望を叶えてくれた(当時は入社5年目)。かつ、上司(女性)は「「あなたに期待をして送りだします。あなたなら大丈夫です。若いうちに訓練所を経験し、その経験をいつかこの部署に戻ってきて活かしてくれると信じています。それまで待っているからね。」と自分を承認して期待をし、送りだしてくれた。必ず戻ってきてその上司、そして会社に恩返しをしようと思い、自分が出来る限りの力を出して新たな部署での仕事に取り組んだ。その結果自分の後輩たちも早い時期から訓練所への異動ができるようになった。

<選考理由>
この事例は現役マネージャー中心のNPO会員による一次審査で圧倒的支持を得、熱いメッセージが集まった。元上司自身の「日本の女性はまだ能力を発揮しきれていない。能力ややる気を引き出さなければ、権利ばかり先に行ってしまう」というコメントも、この言葉を発した上司の責任と覚悟を感じさせた。
<審査員評>
・「戻ってきて」とセットの言葉はとても嬉しい限りです。
・よほどこの上司は部下をよく見ていた人だと思います。もう一度一緒に仕事をやろうと伝えられるのは、素晴らしい。
・承認のパワーが人の行動のモチベーションを高め、物事を成し遂げる力強さを与えるんだなーと感じました。この一言は、言われてからもう何年も経っているはずなのに、まったく色あせることなく残っていることが、素晴らしいですね。
・若くして訓練所へいくことになる不安に対して、まず大丈夫と声をかけ自信をつけさせた上で、戻ってきてほしいと期待の言葉を伝えることで、戻ってきてもいいんだという安心感を与えている。二重の承認になっている。左遷かもとの思いも、この二つの言葉で吹っ飛ぶ。将来に希望を持てる言葉をかけることの大切さを感じる。
・ここまで言ってもらえたら、非常にうれしいし、やる気に直結する承認と思います。なかなかできないし、素直に言葉で伝えるのは、かなり特別な場面だと思います。
・ミスに落ち込んだ応募者に対して思いやりある一言。異動の辞令にここまで「育てる」という意図をこめる会社があるんだ、と感銘を受けた。
<受賞者コメント>
どんなに失敗をしても、いつもの自分をきちんと見守り、承認し続け、期待を持って次のチャンスを与えられることが、どんなに人の支えになるかを知りました。承認のありがたさ、温かさとモチベーションの上がり方は今の自分のスタンスになっていますし、今の仕事(教育)にも活きています。
<上司(当時)コメント>
長さんは、失敗をきっかけに多くの事を学んで伸びていく優秀な人。エピソード当時は同時に100人以上の部下(客室乗務員)をみていたが、色々なキャラクターの人がいて多彩な能力を持っていておもしろかった。当時、会社はグローバル展開をしていた時期で、多様化を考えた時代。個性を伸ばしておもしろい集団をつくっていくことはやり甲斐があった。またそれまでの訓練所は道を究めた人の配属されるところだったが、米パンナム(当時)の教習所では入社2年目の人がボランティアで手を上げて訓練生の指導をしていた。このためやりたい気持ちのある人が指導をしたらいい、と会社にも提案していた時期でした。米ボーイング社では女性も普通に機材を運んで働いている姿に衝撃を受け、「日本の女性はまだ能力を発揮できていない。本人の能力ややる気を引き出さなければ、権利ばかりが先へ行ってしまう」と思っていました。「長さんに賭けた」というよりは「思いを託した」という感じです。
【部下部門】
準大賞 「社内MVPを獲ろう。お前ならできるよ」

ハンドルネーム ゆきちご さん(女性、広告代理店サブリーダー[当時]、28歳)

社内とは隔離され、「何をやっているかわからない」と言われた上司と私のチーム。わかりやすい結果を出すことが求められていた。ある日の帰り道、上司は「社内MVPを獲ろう」と言い出し、「お前ならできるよ」。つらいときや、妥協しそうなとき、上司から言われた言葉を思い出すと、「もう少し踏ん張ろう」と、気持ちを持続させることができた。そうしているうちに成績が向上し、首尾よくその期、上司との約束どおり、MVP賞を獲得。受賞式の壇上で、お礼をこめて「○○リーダー!やりました!」と言うことができた。

<選考理由>
文句なく、青春ドラマのような爽やかな事例。この上司は部下自身も気づいていない良い点を認め、褒め、やる気にさせる名人だったとのこと。とかくありがちな男性上司、女性部下の間のこだわりも構えもない。期待をかける上司と、それに応えようと頑張る部下の姿が微笑ましい。
<審査員評>
・とにかく元気がいい。思い切りがいい。期待した上司、それに応えた女性部下、どちらもすがすがしい。
・素直にこの言葉を受け入れ、実行されたことは、すばらしいと思います。
・「○○さん、やりましたー!!」のところが、この方と上司の関係性を物語っていると思いました。承認を続けてもらえたこと、それによって信頼関係が出来ていたんだなーと感じました。ただテクニックとしての承認ではなく、やはりその前提になる人間関係(人同士のつながり)も大切なことではないかと思いました。
・心細い状況で自信を失いがちな状況の中での承認の言葉は大きな力になる。自分のためにも上司のためにも頑張ろうと。上司も厳しい状況に置かれる自分のことで精一杯になりがちだが、そこでこういう言葉をかけられる強さを感じる。まさに承認によって生まれたエネルギーが状況を打開した事例。
・「お前ならできるよ」は殺し文句ですが、実現できるであろう成果を予測して、見事に部下に実現させている。
・部下の長所を見出して、伸ばすことができ、具体的な成果をあげる。上司冥利に尽きますね。
NPO法人企業内コーチ育成協会賞 「あなたがいなかったら、組織は干上がった川のようになる」

林 義記 さん(介護医療施設ソーシャルワーカー、施設ケアマネージャー 32歳)

今年8月、職場に退職願を出した。11年ともに働いた上司と話し合った結果、退職願を取り下げた。その時に上司に言われた言葉が「あなたがいなくても組織は回ると思うが、水の干上がった川のようになってしまうだろう」「あなたこの11年、大事なことを大事にし続けて頑張ってくれていると改めて思った。僕はこの11年の間で大事なことを忘れていたかもしれない。それを思い出させてくれてありがとう。もう一度、僕も頑張ってみようと思うから、一緒に仕事ができないだろうか?」

審査委員長賞 「じんこ(君)のお蔭で社長に会えた」

ハンドルネーム てつべっく さん(女性、 IT企業 総務部 マネジャー。エピソード当時は食品メーカー人事部所属、秘書、34歳)

社長秘書をしていて、某飲料メーカーの副社長へ表敬訪問した際、社長を乗せ車の運転をしていたが、道を間違え、予定していた訪問時刻より遅れて到着。先方の副社長をお待たせしひどく落ち込んだ。ところが表敬訪問終了の後、幸運にも先方の社長と偶然鉢合わせし、挨拶することができた。自社に戻る車の中で社長は『到着が遅れたおかげで社長さんと会えた、じんこのおかげだ』と言ってくれた。

代表理事賞 「笑顔で『大丈夫、大丈夫』」

ハンドルネーム nao さん(女性、公務員、35歳)

頑張って仕事をしても、褒めてくれない上司。親と仕事をしていた人なので、比較されているのかと思い不安だった。「大丈夫でしょうか?」と訊くと、笑顔で「大丈夫、大丈夫」と言ってくれる。それがその人の承認だと気付いた。親と比べていたのは私だけで、彼は私を私として見ていてくれたんだと気付いた。

特別賞 「彼は間違いを謝れる人間だから」

ハンドルネーム まえだ さん(男性、エピソード当時小売業総務部門主任、49歳)

人事総務担当の主任時代に、上司(課長)の後任として部長から内示を示唆されたが、本来が営業職志望だった自分は、固辞していた。すると課長からの評価として、自分を推薦する理由を部長から聞かされた。「彼は自分の間違いに気付いた時に素直に謝ることが出来る人間だから」ということだった。驚きと同時に見ていてくれたことに感謝の気持ちが湧いてきて、職務をお受けした。

【上司部門】
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太田 肇 (おおた・はじめ)氏(1954年兵庫県但東町生まれ。同志社大学政策学部教授、組織論。人の働く動機づけの最大のものは「他者から認められたい」という「承認欲求」であるという「承認論」を世界で初めて提唱、現在この論はスタンダードになっている。NPO法人企業内コーチ育成協会顧問)

 上司部門、部下部門とも大賞、準大賞に選ばれた事例は、「承認」の模範例といっても言い過ぎではないほどレベルが高い。具体的な評価は「選考理由」に詳しく述べられていて、私もそれに同感である。
 上司部門の大賞に選ばれた事例では、「訊く」というコミュニケーションのきっかけ作りに最適な方法をうまく取り入れている。最近は新入社員など若い部下とのコミュニケーションの取り方に悩んでいる人が多いが、これならどこの職場でも実践できるだろう。しかも、部下から訊かれることで上司自身も承認され、相互承認の関係を築くことができる。
 上司部門準大賞の事例も、それに劣らず優れた実践例である。プロフェッショナルやモチベーションの高い部下、成熟度の高い人に対してはピッタリの一言である。大賞の事例とは対照的な接し方だが、いずれも「承認している」というメッセージがしっかりと伝わる。このように、部下のモチベーションの水準、精神的な成熟度などに応じて望ましい承認のしかたも違ってくる。
 部下部門大賞の事例は、いわば「承認の達人」による一言が、いかに部下のやる気や働きがいを引きだすかを象徴的に表すエピソードである。減点主義によって部下を萎縮させるのではなく、ミスをしても必要以上に責めず、長所を認めることには、挑戦意欲を持続させるばかりか、失敗を心から反省させる効果もある。また「戻ってきて」というのは信頼の表れであり、心からの承認と言える。
 部下部門準大賞の「社内MVPをとろう」というのも簡明直截でわかりやすいメッセージだ。
 承認は、する側とされる側の心の交流であり、決まったパターンをいつでも使えるわけではない。今回授賞された事例では、相手の心をつかんだ絶妙な承認の一言が発せられており、背後には日ごろ育まれた人間関係や部下への鋭い洞察があったものと想像される。(了)   2011年10月10日


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「承認大賞2011プロジェクト」実行委員会  NPO法人企業内コーチ育成協会